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京都から戻って、その足で実家に寄った。 亮平さんは改めて挨拶に行くからと駅で別れて別行動。 「ただいまぁ。」 「あら、愛海。どうしたの?」 玄関で出迎えてくれたのは、ママ。 「京都旅行に行ってきたからお土産持ってきたの。」 「誰と?まさかひとり旅とか…」 「彼と。」 「いつの間に?」 「割と最近だよ。」 さすがに付き合い出して1ヶ月そこそこで、気持ちをお互い確認出来たのが、旅行中。 しかもそれまでセフレのつもりだったなんて言えないから誤魔化した。 「愛海、騙されたりとかしてないわよね。」 「もちろん。会社の上司だし、結婚を前提の交際をしたいってプロポーズもしてくれたの。」 「愛海はお返事したの?」 「うん…」 親にそんな話をするのが、こんなに恥ずかしいなんて思わなかった。 「そう。良かったわね。いつ会わせてくれるの?」 「近々、挨拶に来たいって言ってる。」 「それでわざわざお土産を理由に来たわけ?」 「ま、まぁ…」
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