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ここは「タブチ航空運輸」が運航する、BUC55便のコックピット。
副操縦士の南田は、右手の窓からぼんやりと太平洋を眺めていた。
左席に座っている大庭機長と、どうにも馬が合わないのだ。
羽田に到着するまでこの状態が続くのかと思うと、気が滅入ってくる。
飛行機のコックピットというのは、閉鎖された空間だ。
相性の問題はストレスの元となり、飛行の安全にも影響を与える。
今の状況があまり良くないということは、南田にも分かっていた。
なんとかしたいと思っても、相手のいることだからいかんともしがたい。
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