出口寛子 ①

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出口寛子 ①

夜9時。 自宅。 ワインセラーを開け、白ワインを選ぶ。 今日は恵比寿の駅ビルで、白身魚のカルパッチョを買った。 それとチーズの詰め合わせ。 ワインがきっと進むわね。 会長は相変わらずまだ帰ってこないけれど、 今日はちょうどいいわ。 カバンからファイルを取り出す。 ファイルを机の上にのせ、またワインを口に運ぶ。 実を言うとこのファイルを見ることは、気が進まないんだ。 また、会長とのことが書いてありそうでさ。 ワイングラスに残ったいた白ワインを、一気に飲む。 そして、ファイルを開く。 表紙には、「出口寛子」と書いてある。 彼女は、波多真理のパソコンから会長宛のメールを一斉送信した犯人である。 「、、、、、」 ファイルを読んで驚いた。 出口寛子は、会長と関係はなかった。 じゃあなぜあんなことをしたのかしら?
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