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「園村さんのお相手だもの、素敵な人なんだろうなーって」
真っ赤になってしまった浅緋を、微笑ましげにみんなが見る。
浅緋は園村ホールディングスのお嬢様であることは間違いない。
でも分け隔てなく、誰にでも優しく笑顔で接する。
浅緋の父である前社長は怖い時もあったけれど、そんな時はさりげなくフォローする浅緋の姿に、みんなは好意を持っていた。
社外のお客様からも、浅緋の対応はとても評判が良かった。
最初は秘書採用の予定だったのだけれど、あまりにたくさんの人に接してしまうと、誰かに見初められてしまう可能性がある、と浅緋は大事に大事に会社の中にしまわれていたのだ。
当の浅緋は、そんなことは知らなかったのだけれど。
「え……っと、優しいです、とても」
片倉のことを一生懸命思い出して、浅緋は話す。
「うんうん、それで?」
それだけでは勘弁してくれそうにない雰囲気だ。
「背が高いです」
「へえー、今の社長も結構背が高いよね。身長高くて迫力あってカッコイイよね!」
「多分身長は同じくらいかしら。」
「おいくつなの?」
そう言えば知らない。
「おいくつなのかしら……多分少し年上だと思うのですけど。槙野さんより上なのかしら、一緒くらいかも」
「槙野さんって新社長よね?」
「はい」
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