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空を、温かいと感じる。きれいな青空だ。こういうのって、普段生きててもなかなか気づけない。自然の滑らかさが心地いい。温かい空が、僕の胸にしみていく、、、。
目の前のきれいな大きな池と、その周りを囲む優しい自然。そんな家の近くの大きな公園のベンチに腰掛け、ぼーっと目の前に広がるそのきれいな景色を見つめていた。
心臓が泣いているようだった。どこかさみしい。周りの景色との淡いコントラストを胸の内に感じる。
僕は、生きていくのに疲れてしまった、、、。人とのかかわりにつかれてしまった。過剰なデジタルにつかれてしまったようだ。自然はそんな僕を慰めてくれる。でも、人である限り、自分はそこと一体ではない。ヒトとしての疲れは、僕の器にもう入りきらないほどたまっていた。
こんなにも優しい自然のなかで、自分の命がポロリとほころびていったらどうだろうと考える。そしたら僕も、自然に帰る。普通じゃない人としての今を終えて、自然の一部として普通の状態に戻る。ああ、いいなぁー、、、。って感じる。目がトロリとうるむ。春のやさしさを瞳に感じる。
よし、と僕は立ち上がる。こんなに柔らかい決心があるだろうか。ぼくは、今日、「ヒト」をやめて、自然に帰る。青空にとろけそうな太陽をやさしく見つめ返した。
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