ペットボトル

西島健也(にしじまたけや)。それが俺の名だ。現在２１歳の大学生。独り暮らしをしている。

特に特技などを持ち合わせていない俺はごく普通の大学生活をしている。その傍ら、ボランティアで街の清掃、主にゴミ拾いをしている。大学のサークル活動でも、誰かから委託された訳でもない。したくてしているのだ。恐らくは母のエコ教育の賜物だろう。ゴミが放置されている事が許せないのだ。

休日だったその日は朝からゴミ拾いを行っていた。淡々と一人で。無心でやっていたからいつ拾ったのかは分からないが、その時俺は拾ってしまったのだ。あのペットボトルを。

「……お、おおきに」