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第二項 登場人物紹介:ウィプサーニア
〇ウィプサーニア(BC36-AD20)
<名前>
Vipsania Agrippina
<こんな人>
アグリッパ将軍の娘なので、アグリッピナとも書かれる。母は文筆家キケロの親友で、出版業を営んでいたアッティクスの娘。また、第一次三頭政治のメンバーの一人で、スパルタクスの乱を鎮圧した、クラッススの血を引く。
ティベリウスの最初の妻で、彼女の生んだ子供ドゥルーススが、ティベリウスの唯一の成人した実子となった。父の死によって後ろ盾を失い、ティベリウスを娘のユリアの夫にと望むアウグストゥスによって離婚を強制された。当時妊娠していた彼女は、そのショックで流産してしまったらしい。その後アウグストゥスの友人アシニウス・ポッリオの息子、アシニウス・ガッルスと再婚、彼との間に多くの子をもうけた。
<私見・偏見>
由緒正しい平民である彼女に対し、ティベリウスは由緒正しい生粋の貴族。格式高い名門貴族の家に嫁入りし、しかも長男で家長でもある夫は誇り高く偏屈で閉鎖的、となると、結婚当初はさぞかし苦労も多かったのでは、と推察される。後妻のユリアとの関係がうまくいかなかったティベリウスは、街で彼女の姿を見かけて目に涙を浮かべたといわれるので、愛されていたことは確かなのだろう。とはいえ、彼女がティベリウスを愛していたかどうかはまた別の話である(酷)。
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