第二項 登場人物紹介:セイヤヌス、パテルクルス、マクロ

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第二項 登場人物紹介:セイヤヌス、パテルクルス、マクロ

〇セイヤヌス(?-AD24) <名前>  Lucius Aelius Sejanus  ルキウス・アエリウス・セイヤヌス <こんな人>  セイユス・ストラボの息子。アエリウス一門の養子となったため、「セイユス一族出身の」の意味での「セイヤヌス」と呼ばれたと思われる。ティベリウス帝の信頼を受けて権力をほしいままにしたが、後にこの帝自身によって粛清された。 <私見・偏見>  古代の歴史家タキトゥスは、「粛清するのはいいがそのやり方が陰険だ」として、その本の中でティベリウスを非難しているが、塩野氏は著書の中で「陰険以外にどのような方法があったというのか」と擁護している。何はともあれ、やり方が陰険だったのは確かということだ(笑)。 〇パテルクルス(BC19?-AD31?) <名前>  Gaius Velleius Paterculus  ガイウス・ウェレイウス・パテルクルス <こんな人>  ティベリウスの信奉者の一人で、後に「ローマ史」を記してその治世を称えた。ゲルマニア、パンノニアで実際に従軍しているので、その記録として非常に貴重な資料となった。著書の中でティベリウスを誉めまくっており、その点でも極めて珍しい人である。 〇マクロ(?-AD38) <名前>  Quintus Naevius Cordus Sutorius Macro  クィントゥス・ナエウィウス・コルドゥス・ストリウス・マクロ <こんな人>  セイヤヌスの後の親衛隊長官。その前は消防隊(夜警隊)長官だった。一説に、瀕死のティベリウスが息を吹き返したとき、「あの老人の上に大量に布団を載せて逃げて来い」と指示し、この老帝を窒息死させたとかしないとか。妻を使ってカリグラを手なづけようとしたとかしないとか。中々にスキャンダラスな人である。最後は妻と共にカリグラによって粛清された。
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