0人が本棚に入れています
本棚に追加
第三項 用語について:元老院
〇元老院senatus
元々は王の諮問機関で、家長(部族長)たちの寄り合いとしてスタートしたといわれている。本作の時代、定員は六百人。その地位は終身であるが世襲ではなく、まず「騎士階級(エクイタス)」の中でも百万セステルティウス以上の資産を持ち(騎士階級の資産要件は四十万セステルティウス)、かつ規定の官職を務めることによって参加が認められた。四千五百万ともいわれるローマ世界の頂点に立つ六百人であるから、その権威は極めて高かった。月に二回の定例会議があり、これは議題がある限り続く。緊急の議題があれば、その権利を持つ人間(護民官特権保持者など)によって召集される。
因みにローマという共同体を現す正式名称は、「元老院並びにローマ人民(SPQR=Senatus Populus Que Romanus)」であり、古代ローマの建造物を見ると、結構このロゴが入っている。映画『グラディエーター』で、将軍マキシムスの腕に入れてあった刺青も、この「SPQR」である。
最初のコメントを投稿しよう!