第二項 登場人物紹介:アウグストゥス

1/1
前へ
/30ページ
次へ

第二項 登場人物紹介:アウグストゥス

〇アウグストゥス(BC63-AD14 在位?BC27-AD14) <名前>  Gaius Octavianus(Gaius Julius Caesar Augustus)  ガイウス・オクタウィアヌス。後に神君カエサルの養子となり、ガイウス・ユリウス・カエサル・アウグストゥスを名乗る。(アウグストゥスは「至尊者」の意味。) <こんな人>  ローマの歴代皇帝の中でも、初代皇帝アウグストゥスの彫像は群を抜いて多いそうだ。だが、その像は全て三〇代の若々しい姿であり、七六歳まで生きたにもかかわらず、四〇代や五〇代の彫像は見当たらないらしい(塩野)。このことから導き出される可能性として、アウグストゥスは、 (一)若作りである (二)不老不死である (三)そもそも人間ではなく政治マシンである など、様々に考えられるが、塩野氏は、清新さをアピールするためのイメージ戦略であったとする。はてさて。  ローマでは新参者の家に生まれながら、母方の大叔父カエサルに見出されてその後継者となり、アントニウスに勝利した後は、四〇年以上にわたって最高権力者の座(実質上の皇帝位)にあった。「ローマの平和」の立役者として皆の尊敬を集めたが、家庭内では不祥事や不運が続き、最終的には血のつながりのない継子ティベリウスに帝位を譲るという決断をせざるを得なかった。 <私見・偏見>  真面目で律儀で食えないじーさん。 ○参考○  家では愛妻リウィアの尻に敷かれ、質素な生活を愛してはいたが、公的にはケチではなく、自分の強運を告げた占星術に従って都市整備を行い、実入りは潔く社会に還元した。とはいえ恩着せがましいことに、それらの出費と業績を「神君アウグストゥスの業績録」として青銅の板に刻んで墓に飾るよう遺言した。後世へのPRである。出納簿と日記をこまめにつけていたのであろうか。  あの時代に76歳まで長生きし、後継者ティベリウスに後を託して大往生を遂げた。      ―――「強運の頭脳派アウグストゥス」『古代ローマ散歩』
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加