洗脳

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「死ぬなら、俺も一緒に死のうかな」 そう言った、何年も会っていなかった幼馴染の彼。 見た目は小学生の頃とだいぶ変わったがすぐに彼だと分かった。 生まれつき彼は全体的に色素が薄く、日本人離れしている見た目だった。髪と目は綺麗な栗色。肌もお人形みたいに白い。存在が触れたら壊れてしまいそうで。笑ったら女の子みたいに可愛くて、小柄で背の順も一番前だった。でも今は耳にピアスを何個もつけ、首にはタトゥーが彫られている。 廃墟になったビルでどこか埃臭いここが彼との思い出の場所だった。好きな場所で人生の終止符を打とうと思ったのだが、今日もできそうにない。彼の言葉を無視してこの場を離れようとしたが、彼は続けた。 「あ、待って、死ぬ前にお勧めの本があるんだけど、それ読んでから死の?」
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