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この男はまた訳の分からない事を言っている。
小学生の時もそうだった。
壮絶ないじめに耐えられず、帰り道に死にたいと彼に言った事があった。その時彼は今と同じように
「死ぬ時は僕も一緒が良い。その前に来週僕の好きなアニメの最終回があるんだ。その後にしない?」
怒られるだろうか、引かれるだろうかと、言ってから後悔していたのに彼は死ぬことを楽観的に捉えていて死ぬに死ねなかった。
自分が死んだら本当に君も死んでしまいそうな気がして。
だからずっと距離をおいていた。進学も違うところにして会わないようにして、君の知らない私になってから死のうと思った。
けれどまた、君は私の前に現れて私を死なせてくれない。
また別の日、今日は首つりをしようと思った。けれど彼はまた現れて、
「その前に本読んでくれた?感想聞かせてよ」
そう言って、私はまた死ねなかった。
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