あなたの深い優しさ

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「すみません……あの時の社長の行動を思い出すと、今でも胸が熱くなって……」 涙を堪えている前田さんの瞳は、一瞬で真っ赤になった。 「ミルクティー、飲みましょ。私もいただきます。本当に……温かくて美味しくてホッとしますね」 前田さんも、気持ちを落ち着かせるようにティーカップに口をつけた。 「すみません。美山さん……お気遣いありがとうございます」 私は首を横に振った。 「続き……聞かせてもらってもいいですか?」 「もちろんです。あの時、社長はお忙しい中にも関わらず、次の日に飛行機で京都に来て下さいました。ちょうど大阪で仕事があったからと言われてましたが、あとで秘書の方に聞いたら、大阪で仕事なんかなくて……私達親子を心配してわざわざ京都まで来て下さったんです」 次の日に早速京都にって…… 忙しい合間を縫ってでも駆けつけてあげたかったんだろうな。 祐誠さんの深い深い優しさを感じる。
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