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「おい、タキシードのおっさん。1つ、質問いいか?」
輝が画面に向かって声をかける。
「はい。佐川輝君。何でしょうか?」
「へぇ・・流されているのは録画じゃないのか・・。と言うことは、慧祐にあらかじめ決まるような細工がされていたわけじゃない・・。そして、俺の名前も知っているってこと、俺の声に反応したということは、お前には俺たちの姿を映しているモニターと声を届けるスピーカーが用意されているということだな。」
輝の言葉に少しタキシードの男は眉を吊り上げて反応する。
「ほぉ・・。このような状況でそこまで冷静に判断できる者がいるとは・・。なかなか王国にはおもしろい国民がいるようですね・・。しかし、1つだけ忠告しておきます。イギリスのことわざに『好奇心は猫をも殺す』というものがあります。こちらから提示する以外の情報を過剰に得ようとすれば、思わぬしっぺ返しを受けるかもしれませんよ?とはいえ、今回はその勇気に免じて質問に答えてあげましょう。」
「人間は好奇心が無ければ進化してこなかった。今の人間の世界は好奇心の先に生まれたもんだ・・。そんなことより・・さっきチームを組んで闘うと言っていたが、最大でも5人だろ?もしも次の戦いに参加する人間も同じ奴が選ばれたら、中には一度もゲームに参加せずに終わる人間もいるんじゃないのか?」
「常勝することが前提なら・・それは有り得ますが、どこかで最下位を取れば、その参加者はいなくなる・・・他の2国が滅亡するまでに誰も追放されずに済む国など存在しないでしょう・・。世の中そこまで甘くはないのですよ、きっと。」
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