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バスが到着したのは、ヨーロッパにあるような古城に似た洋館だった。
鬱蒼とした木々の中にそびえるその風貌はまるで昔のホラーに出てくるような雰囲気を醸し出している。
「こちらで降りてください。」
バスの運転手が全員に降りるように促す。
「ここはどこなんだ?なんでこんなところに来たんだ。林間学校の施設はこんなとこじゃないはずだ!」
教師の一人がバスの運転手に詰め寄る。
-ズギューン-
その時、バスの外で銃声のような音が響いた。
「早くこちらで降りてください。さもないと外で待っている人たちが黙ってませんから・・。」
バスの運転手はかすかに震えている。
この男も誰かに指図を受けた人間なのだろう。
詳しく聞こうにも事情を知らされていない存在なのだろう。
渋々ながら詰め寄った教師がバスから降りていった。
「遅い!!」
矢継ぎ早に外で男の声がした。
「うごあ!」
そして教師が何かで殴られたような音と叫び声が聞こえた。
よくわからない展開に少し戸惑いながらも、少しずつ前から順番にバスから一人ずつ降りていく。
バスの外には兵隊のように迷彩服に身を包んだ男たちが数十名いて、バスから降りてくる者たちを見据えていた。
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