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「何だよ・・・国家のジレンマって。何をやらせようと言うんだ・・?」
輝が黙っていられないと言いたげに、吐き捨てるに言う。
輝の性格上、小難しい話になることを嫌う傾向があった。
冒頭から難しさを感じるその言葉は、輝をイラつかせるには十分だったと思う。
対照的に他の者たちは何も声を出せずにいた。
この画面に映し出されるであろう、想像もつかない非日常への誘いを漏らすこと無く感じ取れるように神経を尖らせていると言った感じであった。
やがて白い文字が消え、再び黒い背景だけの画面になったかと思うと、一人の男が画面中央に映し出された。
その男は白いタキシードに顔半分だけを覆う白い仮面をつけた風貌で立っていた。
「ようこそ・・。選ばれし国民の皆様。」
そう言ってタキシードの男は深々と頭を下げた。
「これより皆様にはこの場所で1つの『国』を形成して頂き、他国との戦争に勝って頂く必要があります。」
男の言葉に連動して、画面の背景に地図のようなものが表示される。
「物語の始まりはこうです・・・広き島、大陸と呼ぶには少し憚れる大きさのその島には3つの国がありました。1つは王国、そして共和国、最後に合衆国。それぞれはそれぞれの国による成り立ちと法律によって統制されていました。しかし・・この島には資源と呼ばれるものが少なく、作物を育てるには十分な土地もなく・・3つの国が存続していくには難しい情勢がありました。それぞれの国はそれぞれに考えた結果、自らの国を存続させるために他国を攻撃し資源を独り占めにすることで存続をさせようと画策します。」
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