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「あなた方は今回『王国』をこの場所で立国し、他の2つの国を倒して生き延びて頂きます。知っている方がいるかは存じ上げませんが・・これはいわゆる『デスゲーム』だと思って頂いて差支えありません。国家の存亡は貴方がた全国民に委ねてられているのです。」
男の言葉がそこで切られる。そしてまた画面の背景が切り替わった。
「さて、今回貴方がたに立国して頂くのは、『王国』。名前の通り、国王が統治する国です。そのためにまずは貴方がたの王国の『国王』を今からルーレットで決めます。国王にはこの後行われる『戦争』における指揮を執って頂きます。その他の国民の皆様はどのような内容であれ、国王の指示に従って頂きます。従わない方は『国家反逆罪』としてそこにいる兵士によって処刑させて頂きます。皆様の協力をもって、『王国』は他の2国に勝ちうることができるのです。そのことをどのような状況においても忘れることなく、国王の統率の元に国家の繁栄を目指してください。」
男の背景に映されていたのは、全員の名前が書かれたリストだった。
即興で行えるような余興じゃない・・。あらかじめこの全員がここに招かれることが決められていたことを意味する。
リストの名前は順番に、はやい速度で赤く点灯を続けていた。
「では、この赤い光が止まった方・・・その方が貴方がた王国の国王となります。」
男はそう言ってスイッチのような物を押し、画面から姿を消した。
画面には全員の名前と高速で動く赤い光が映されている。
やがて、その光の速度は少しずつ速度を落としていき、ゆっくりと一人ずつの名前を照らし始めた。
そして、赤い光が一人の人物の名前の上で止まる。
-穂室 慧祐-
臆病に震えながら動向を確認していた少年の名前をモニターは赤く灯していた。
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