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「ちなみに国家より追放された人間は生きていくことが困難になります。なので・・・私たちの手で『処分』させて頂きます。すべての国民が追放され、国の代表だけになった場合、最後に代表一人で他の国の参加者と闘って頂きます。そして国の代表者も敗北した国は滅亡となります。結果、他の2国を滅亡させ生き延びることができた国がこの闘いに勝利することができ、唯一の資源を得ることができるのです。勝利した国には主催者より賞金として4億円が支払われます。全員が無傷で生き延びても1人1000万。もしも国の代表者だけになってから勝利した場合は4億円独り占め・・それぞれの国の代表者はそのあたりも重々理解した上で判断をされますようにお願いいたします。」
ここまでの話を聞き終え、慧祐を除く国民39人のざわめきが大きくなる。
うまくいけば大金を手に入れられるのか?『処分』とはどのような目に遭うのか?何より穂室慧祐という男に自分たちの命運が握られてしまったのではないか?そのような思いが空気となってその場を支配していた。
何より他の者たちが気にしているのは、穂室慧祐という者が未だにどのような人間か掴めないでいることだった。
1ヵ月前に転校してきて、数日して佐川輝と揉め、いじめられるようになった男。
そのくせ、いじめに全く屈することなく、ただ寡黙に耐え、いつもその場にいる者達を睨みつける様子に少なからず全員が恐怖していた。
先生達にとっては、いじめの事実を知りながら事なかれ主義で過ごしてきたことを今この状況になって後悔しているようだ。
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