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部屋の隅に置かれた文机の上の本も、周りに置かれている本の殆どが外国の専門書だった。和訳の本は数冊在った。何冊かの本を開いて観ても、外国のスペルで、知識も学力も乏しい健一には理解できなかった。英語では無く多くは他の国の文字だった。美沙のノートパソコンも起動して調べようと思ったがOS(オペレーティングシステム)がWindowsでは無かったので、健一には無理だった。
何冊か並んでいるノートも開いて観ると、美沙の筆跡と思われる外国の文字がぎっしりと書かれて在った。
健一は正確な事は判らないが、美沙は何かの、文筆業の仕事をしているのではないかと推察した。小説を書いているような雰囲気では無いので、映画の字幕 ? とか外国の本の翻訳 ? 等の、文筆業で収入を得ているとしか考えられなかった。しかも相当な収入を得ている様な気がした。
健一は今、愛しい美沙に対して情けない誤解をしていた事を、恥じた。
健一は早朝に新幹線で三島に行って、1軒、1軒、家々を訪ねて、必ず美沙の実家を探し出す決心をした。
美沙に直ぐに逢って、
結婚してくれ ! と、きっぱりと言う !!
健一が和室を出ようとした時。
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