第一章 あなたのオモチャではありません。

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「はは、冗談がキツイな」 眉間に皺を刻み、猿渡さんは困ったように笑う。 「では、十万程でいいかな?  私のサインを入れた小切手を手配しましょう」 猿渡さんは皮肉めいて笑う。 「お父さん」 急に竜飛さんが声をかけた。 猿渡さんは驚いて、竜飛さんを見る。 「お母さんも聞いて下さい」 後ろに控えていた夫人も何事かとこちらを振り返る。 「木馬は俺が桜介にあげました。 勝手に作って贈ったものだからお代はいりません。 今回の修理代も全部、いりません」 「えっ、ちょっと、竜飛さ」 口を挟もうとした私の口を竜飛さんが手で塞ぐから、 黙るしかなかった。
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