第一章 あなたのオモチャではありません。

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「その代わり」 竜飛さんは木馬に乗って楽しそうに遊ぶ 桜介君の方を見た。 「直ったおもちゃでお子さんと遊んであげて下さい。 時間がある時にほんのちょっとでもいいです。目を合わせて、手を合わせて、使()い方を教えてあげて下さい」 竜飛さんの言葉に猿渡夫妻はじっと 一人息子の方を見つめた。 「そうすれば、ここにあるおもちゃはもう、  壊れることはないと思います。  では、失礼します」 そう言って、竜飛さんが出て行こうとしたら、 それを見た桜介君が飛びついて来た。 「おじちゃん!  ねえ、あの時の約束、覚えているよね?」 「ああ、忘れてないよ。また一緒に遊ぼうな」 竜飛さんはしゃがみこんで、 桜介君の目線で微笑んだ。 「うん、ずっとずっとの約束だよ!  僕、それまでお馬さん、大事にするよ!」 竜飛さんは嬉しそうに笑って、 桜介君の頭をわしゃわしゃと撫でた。  
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