ある記者の記録

1/1
前へ
/17ページ
次へ

ある記者の記録

『記録・灰島家傷害事件』 【20XX年7月2日】 ・明け方、灰島家が住むアパートの隣人がベランダで血まみれになった灰島家三男を発見、警察へ通報。 ・警察の突入時には父親、長男、次男、三男、ともに意識不明。 ・父親、長男、次男には何か所にも渡って刃物で刺されたとみられる跡が確認された。 ・父親は意識不明の重体。傷痕は12か所にも及ぶ。すぐさま搬送されたが、現在も意識は戻っていない。 ・長男、次男は軽傷。搬送後意識は戻り、警察による事情聴取を受けた。 ・三男は無傷ではあったが、栄養失調により意識を失っていたとみられる。 ・警察の質問に対し、「そうなんだ」「嬉しいね」「楽しいね」と、会話がままならないことから聴取の前に病院へ搬送。 【20XX年7月3日】 ・その後、長男・次男の証言から三男による犯行であることが発覚。二人はいつまでも口を濁していたが、現場検証から藍による犯行であると考えられる旨を伝えたところ供述。 ・また二人の証言から藍が日常的に父親から性的暴行を受けていたことなどが分かった。 【20XX年7月5日】 ・灰島家家宅捜査により大量の覚せい剤および大麻を発見。 ・灰島零、灰島迅を覚せい剤所持容疑で逮捕、勾留。 ・父親、藍からは陽性反応が見られた。 【20XX年7月6日】 ・調査により灰島藍の身元は、県内に住む春日家にあることが発覚。現在は灰島家、春日家の関係を調査中である。連絡が取れ次第、春日家への聞き取りを行うとのこと ・藍の意識は依然混濁しており、療養が必要と判断。 【20XX年7月10日】 ・藍の容態が比較的落ち着く。 ・犯行を認めるようなことは口にせず。「魔法使いのお兄さん」に事件を起こすよう唆されたとのこと。 ・警察は薬物による幻覚症状が引き起こした事件と推測 ・藍はいまだ入院中であり、今後の措置については定まっていない ・なお、事件から10日経った現在も父親の意識は戻っていない 20XX年7月13日現在
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加