3人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、
「夜の睡眠時で悪夢を見てしまうなら、昼寝の時間で睡眠を解消してみては?昼間の睡眠時間を2時間として、何時から何時までを睡眠時間とすると決めてしまうんですよ」
昼寝で…?
でも私は寝ると夢を見て、それが良い夢ならそのまま眠ったままで良いけど。
怖い夢など見たくない!
見てるだけならいいが、痛みや息苦しさが身体中を走り抜けるから怖いのだ。
「万が一、夜の睡眠時に怖い夢を見たなら、切り替わった瞬間に目を覚ますようにするんです」
夢の中に入った瞬間に起きて、また眠ればいいだけか…。
私にそんな器用な事が出来るかな。
「無理して眠ろうとすればする程、それがストレスになる事も有る」
「はい…」
「悪夢をもたらす原因は、あなたの今の心理状態。あなた自身の問題。だから楽しかった出来事、昔の友人などの言葉を思い出したら、そのうち寝落ちしてるんじゃないかって僕は思います」
昔の事か…。
以前のように、昔の夢を見て懐かしいと思うように…、そうかも知れない…。
「ありがとうございました」
「いいえ…」
私は自分の部屋に戻り、そのまま布団の中に入った。
淡々と冷たい言葉を言いながらも、きちんと人の事を考えてくれている永田さん。
きっと今、私が誰の事を信じられるのかとしたら、永田さんだけ。
永田さんの言葉だけなのだ。
私はそのまま、昔の自分を思い出しながら、あの頃の出来事、あの場で何をどうしたのか、どう思っていたのかを、出会ってきた人の顔を思い出しながら眠りについた。
最初のコメントを投稿しよう!