3人が本棚に入れています
本棚に追加
バタン!
ガチャリ!
トントントン!
ビクッ、ビクッと体を震わせ、悟の出て行った音を聞く。
そして布団から私は起き上がり、静かにふすまを開けた。
…臭い。
私は匂いを辿り、悟の洋服ダンスを開ける。
香水?…
こんなものいつ?
悟がつけた匂いかと思ったら、急に気持ち悪くなった。
「…おぇっ…」
悟の残り香を嗅いでしまった事で、吐き気がする。
早くこの部屋から消したくて、窓を全開にした。
こんなものをつけて、一体何処へ行ったのか。
悟の洋服ダンスの扉を閉めに戻る時に、悟のスーツのポケットから何かがはみ出ていて、それを引っこ抜いた。
スナック、キャバクラ、ヘルスの会員カードや名刺、それから割引券。
「何これ…、本当にバカ過ぎて…」
呆れるしかない。
仕事が忙しいとか言って、毎晩遅くに帰って来てたけど、全然違うじゃない。
どこまでも、とことん嘘ばっかり!
信用なんてないが、もう本当に理解できない。
私にこんな思いばかりさせておいて。
人間の皮を被った魔物だ。
最初のコメントを投稿しよう!