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お昼過ぎた頃、ぼんやりしていると、悟が朝帰りをして帰って来た。
私は何も言わず、知らない顔をする。
悟はコンビニの袋からお弁当を出して、電子レンジで温めはじめる。
その間に、洋服タンスを開けて部屋着に着替えていた。
私は部屋の片隅で洗濯物を畳む。
悟は冷蔵庫からビールを出して、クチャクチャと音を立てながら食べている。
悟の下着と靴下を、悟の使っている洋服タンスにしまおうとした時だった。
「俺のは俺がしまうから、そこに置いておいて」
えっ…?
私はとっさに悟の方を見てしまった。
「勝手に自分の知らない所で、私物をさばくられたりするの、凄く嫌だから」
クチャクチャと音をたて食べながら、私をバカにしたように言う。
「そんな…」
何を言うの、コイツは?!
「俺のスーツ勝手に触っただろ?位置がおかしくなってた」
私は握り拳を握って睨み付けた。
「暇な人間は、すぐに人のアラを探そうとするんだよ。自分を正当化するために…」
それはあなたでしょ!!
私はそんな悟の言い方に腹が立ったから、洗濯物を投げ捨てた。
「自分だって!いつも自分勝手で嘘ばっかついて、怪しまれないような行動くらい、大人なんだから上手にやったらどうなの?!」
「怪しまれる行動?俺は何もしてないさ!」
「してるじゃない!仕事だとか残業だとか、大嘘ついて夜の街で遊び呆けてるじゃない!」
「ほら、やっぱり!見たんじゃないか!勝手に!」
「見つかるようにしておく方がバカよ!」
私も負けまいと言い返す。
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