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「サラリーマンは、会社で職を成すだけが仕事じゃないんだよ!上司や取引先との付き合い!大切な交渉!それを会社以外の場所でもやってんだよ!これだからフリーターでやってきた人間は、非常識で困るんだよなぁ!」
「じゃあ!昨日今日の朝帰りはなんな訳?!行き場所も、誰と会うかも告げないで出て行って!怪しい限りじゃない!」
すると、悟は割り箸を私の方に投げ捨てて、私の方へと向かって来たのだ。
そして私の胸ぐらを掴んで、
「よく言うよ!!俺が居ない方のがトシコさんにとって、好都合な癖にさぁ!」
「はぁ?!意味分かんない事を言って、私の話にして、すり替えないでよ!」
悟は、私の顔に自分の怒った顔を近付けて、歯を食いしばりながら小声で吐き捨てた。
「隣の男と浮気してんだろ!」
私は目を見開いて驚いた。
な、何を言ってるの?なんで、そうなるの?!
「勘違いして、自惚れて、朝からイヤらしい事でもしてんだろ?!俺はこの目で見たんだよ!」
「違う!全然違う!!」
「こっちは気を使って、わざわざコンビニまで戻って!時間潰してさぁ!俺のプライド、ガタガタだよ!」
「違うって言ってるでしょ!私がたまたまあの場で立ち眩みをして!たまたま居たあの人に、支えてもらっただけ!玄関まで!中になんて入れてない!」
私は悟の発言に心臓が潰れそうになった。
嫉妬が嫉妬の領域じゃなくて。
相手への思いの嫉妬ではなくて。
自分自身のプライドの上下の問題なんだって。
ドカッ!…
私はそのまま、壁に身体ごと投げつけられて、肩を痛めて倒れ込んだ。
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