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突然に自分の名前が出てきて驚き、スマホを落としてしまった。
ひっくり返すと、「おーい、吉野」とみんなから呼びかけられている。
「はい、読んでます」
「吉野も九州だろ? みんなで行こうぜ」
店一番の元気者である三嶋さんがそんなメッセージとともにうるさいくらいのスタンプを送っていた。次々にみんなもスタンプを貼っていく。
このLINEグループには六人が参加している。
気さくで頼れる古市リーダー。フリーターの女性リーダー小笠原さん。お調子者の三嶋さん。そこに大学二回生の僕と門脇くん。それに、気遣いができる森口さん。
森口さんはつい最近うちの店に入った。僕は森口さんに色々と教えながら小さな好意を寄せていたが、あんまり期待なんてものはしていなかった。
「うーん、僕は佐賀に帰ろうかなって思ってます」
みんなに混じって高いテンションではいられそうにない。僕がせっかくの旅行を盛り下げてしまうかもしれないと思うと、自然とそう打っていた。
「えー、なんだよそれ。近くだから吉野も来いよ」
門脇くんがそう打ったところで、今まで会話に参加していなかった古市リーダーが入ってきた。
「俺もせっかくだから行くよ。一週間は店閉めるらしいし。吉野もせっかくだからおいでよ」
古市リーダーにそう言われるとは思わなかった。
「吉野さん、行きましょう」
そこにの森口さんからまさかの後押しメッセージが続いた。
「よし、決まりだな。じゃあ、吉野が実家に帰るの邪魔するのも悪いから、俺に良い考えがある」
僕が返事もしないうちに古市リーダーが僕の参加を決めてしまった。スマホの画面を見ているだけなのに、何故だか皆が盛り上がっている温度を感じる。
『こういうのどうだ?』
そう提案された古市リーダーの提案にLINEグループがどよめいた。
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