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「でさ、それって、遥斗、同意してんの?」
残りののびたラーメンをすすり、スープを数回飲んだ後、箸をテーブルに置いた大和が、大理石っぽいテーブルに片肘を付き遥斗にたずねた。
新も大和より少し先に食べ終えたが、多分本当に大理石で造られたテーブルと本物の革で造られたソファーの間の床に直に座りながら食べるインスタントラーメンは具材が沢山入っていてうまかった。
「あ、うん。最初は正直、良くわからないままみんなにヤられちゃったんだけど、今は同意してるし、僕からおねだりする事もある」
前半おかしかった気もするが、にこにこ話しながら遥斗は出されたコップの炭酸のジュースを美味しそうに飲み干した。
「最初って、いつからなのか聞いていい?」
「こっちに引越してきた日」
ということはこの春からだ。
新の質問への遥斗の答えに、躊躇いはないから本当だろう。
「なぁ、俺も聞いていいか?いま兄貴『達』って言ったよな?」
「うん」
「『達』って……」
「んー。俺、多分輪姦されてるんだと思う。兄貴とその友達に。最初はともかく、今は無理矢理とかないからそんな感じじゃないけど」
大和の質問に新の性癖にズバンとくる単語が返されて目眩を覚えていると、大和も自身の性癖に直撃するものがあったのか耳まで真っ赤になっていた。
「俺、男の人とそういうことやる人、初めて会えたから嬉しいよ!色々二人の話も聞きたいな!」
大型犬の子犬がワクワク顔でじゃれついてきて断れる人がいるだろうか。いや、いない。多分、初回の事の重要さに気が付かぬまま、気持ち良さに流されてこの明るいノリで気持ちイイ事を教え込まれているのだろう。
「今日はうちに泊まって、もっと話していくか?金曜日だし明日は寝坊できるぞ?」
優しく語る大和の目の中はギラギラしているが、新だって、目の前の子犬の擬態を解いて本当の遥斗を食べてみたい。
このノリなら勢いと気持ち良さだけで友達の関係のまま、肉体的にも繋がれる、絶対に。
「本当に?!あ……でも……」
「俺も一緒だし、そもそも友達を無理矢理襲ったりしないから安心して」
警戒されたか?と思いながら自分も一緒だから大丈夫と安心させる。実際は狼が増えただけだ。
「わぁ、三人!嬉しい!!ありがとう!……でも、襲っていいよ?」
「へ?」
「は?」
広いリビングにひかれたラグの上を嬉しそうに転がりだしていた遥斗が二人の驚きの声にヒョコリと床に座った。
「あ、襲われるのは平気なんだけど、俺、初めてから複数相手だったから、多分1対1だとイけないんだよね」
三人なら平気だよー。という遥斗の能天気な声に、俺達は無言のまま、共同戦線を固く誓った。
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