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俺はどこかに思いっきりぶつけて撒き散らしてしまいたい感情を抑え、後部座席に乗り込んだ。
あいつの口調からすると、俺と大和君の関係を知っているはず。
そう仮定して考えれば、さっきの壊れた関係というのは俺達二人の事を指すのだろう。
大和君は俺から離れてあいつを選ぶのか?
「くそっ…!」
「どうなさいました?」
助手席に座っている秘書が俺の発した言葉に振り返ったが返事はしない。
とにかく、今の状況を打破するには、きちんと大和君と話さなければならない。
電話に出ないなどと言い訳せず、直接会いに行って問いただせばいい。
大和君の口から告げられるのが決別の言葉だったとしても受け止めよう。
それが二人の約束だから。
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