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「湯沢先生、あなた辛気くさいのでテーブル席へ行ってはどうですか?」
せっかく楽しい気分でいるのに台無しにされたくない。
「父さん、それより帰ってもらった方がいいよ」
「そうだな」
毅と二人で見てやれば湯沢は苦虫を噛み潰したような顔で、
「茜さんによく似た顔をしているのに中身はあなたみたいなんですね、息子さん」
「褒め言葉として受け取っておきます」
そもそも茜が好きだなんて、あの性格、中身を見て言っているのか不思議だ。
元旦那の俺が言うのも何だが、あの気の強さは今まで見てきた女性の比じゃない。
「人の元妻についていつまでも、グチグチ気持ち悪っ」
「中学生の頃から憧れていたんだ…」
それから茜の魅力について延々喋りだした。
若干涙目になりながら語るなんて、ちょっとヤバい人だ。
毅と二人でいい加減うんざりしていると、
「オムライス出来ましたよ」
にっこり笑った大和君が奥の厨房から出来立てのオムライスを運んできた。
なんて素晴らしいタイミング!
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