美味しいよ、すごく

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あれこれと服を選び、髪の毛をさり気なくセットし終わるとインターホンが鳴った。 毅のドタバタと廊下を走る音が聞こえたかと思うと、二人分の賑やかな声が耳に入ってくる。 「父さーん!大和君来たよー」 「おー!今行く」 散々迷った挙げ句、結局はシンプルな服に着替えた。 よく考えれば自分の家でキメているのも変だし、大和君に会えるという事実に興奮して冷静さを少し失っていたようだ。 だが、浮かれた心は足取りまで軽くさせる。 スキップ気味にリビングに行けば、 「大和君、見て見て!今このゲームやってるんだよ」 「今はこんなのがあるんだね」 毅はちゃっかり大和君の膝に座って何やらゲームをしている。 その姿を見れば年の離れた兄弟のようにも感じ、微笑ましい光景に俺は笑みを浮かべた。 「Amos大和君!今日は助かったよ」 「崇さん、ラテン語の挨拶とはまた……」 いつも通りな俺に少々呆れ気味に笑うと、側に置いてあった買い物袋を持ち上げた。 「ひとまずカレーの材料買ってきたので作りますね。毅君いいかな?」 「俺には聞かないの?こんなにも大和君が好きな俺には聞いてくれないの?」 「………。」 「父さん!くだらないこと言って大和君困らせるの止めてよー。コーン入ってるのがいいな」 「毅君が好きなの知ってるから、ちゃんと缶詰の買って来たよ」 キャッキャとはしゃぎながら毅は大和君をキッチンまで連れて行ってしまった。 ここ最近、俺の扱いがひどい…
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