美味しいよ、すごく

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だけど。 キッチンに向かう大和君の首筋がほんのり赤かったことに気付けたから良しとしよう。 昔から俺の一言に左右されている。 ソファーに寝転びながら、ほんの少しだけ満たされた気分になった。 * * * 「このニンジンは僕が切ったんだ!」 「すごいなー、毅。上手上手」 「そうなんですよ!毅君、手先が器用でビックリしました」 「今時の男は料理ぐらい出来なきゃいけないんでしょ?」 そんな情報は一体どこから? 不思議な空気が流れる中、大和君が作ってくれたカレーをいただく。 毅に合わせた甘口なカレーは、夏休みという雰囲気にも合っていて懐かしい気持ちになる。 「大和君おいしいよ、すごく!夜ご飯もいっぱい作ったカレーをまた一緒に食べようよ」 ナイスだ!毅! 「そうだな。大和君、お店休みの間はずっと泊まっていって」 流し目で微笑めば、 「…そんなに長く、迷惑では?」 「「大歓迎だよ!」」 毅とハモッたその瞬間、俺と絡み合った大和君の目に艶が浮かんでいた。 分かってるよ。 楽しい夏休みになりそうだね、大和君。
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