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不安を隠さない表情で俺の眼を見つめている。
普段は何事も冷静で余裕のある大和君が、俺との関係が壊れてしまう心配をしていたのかと初めて気付き、
「俺にとって大和君は昔から大切な存在だよ。茜と離婚したって、俺らの関係が変わるわけじゃないし変える気もない。そもそも」
俺は両手で大和君の頬を挟み唇を奪う。そして、
「弟として見てないよ。大和君は俺の“オトコ”だ。この先もずっとね」
「はい…」
安心したように嬉しそうに微笑んだので俺もほっとした。
そう。
大和君はずっと俺だけを見ていればいいんだ。
俺の手の中にある此処で。
もう一度口づけを交わし微笑んだ。
《END》
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