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真由はじっとペンギンを見つめながら、
「この動いているのは何?」
と言ったので、
「ペンギンという海鳥だよ!」
と私が教えると真由は、
「海鳥…」
と言いながら不思議そうにペンギンを見つめていた。
その後、魚を見て回ったけれど、真由はどれもはじめて見るようで、魚が動くところをじっと見つめていた。
少し歩き疲れたと感じた私は、真由とスカイツリーカフェに入って少し休憩し、電車で自宅に帰った。
自宅に帰った私は真由に、
「真由、そのソファーに座って待ってて!
今コーヒー入れるからね!」
と言って私が台所からコーヒーカップを2つ持って部屋に戻ると、真由の姿は見えなくなっていて、ソファーには女の子の人形が座るように置かれていた。
「真由…」
私は少し茫然として立ち尽くしてしまった。
(私は夢でも見ていたのだろうか?)
私が女の子の人形を手に取ると、ほんのりと温もりがあるように感じた。
今日は久しぶりに楽しい時間を過ごすことができて、私の気持ちは少し晴れやかになったように感じた。
その日は、真由が私の前に現れることはなかった。
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