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目が覚めると、隣に和斗さんがいる。
大分前から起きていたのだろうか、既に単行本を半分程度読み進めてしまったようだ。
相変わらず早起きだなと関心する一方、
俺も俺で、朝にめっぽう弱くていつもは渋々起床するのに、今日は珍しく目覚めが良かった。
スポットライトの如く日光に照らされた和斗さんの横顔があまりにも綺麗で、やや寝癖付きの愛らしさも含めてこの目に映せることに幸福を感じる。
眩しい陽の光も、悪くないと思った。
つい和斗さんの横顔をじっと眺めていると、視線に気付いた彼は本を閉じ「おはよう」と言う。
「おはようございます。早いですね、和斗さん。」
「お前が遅いんだろ?」
「あまり眠れなかったんです」
「…悪い。狭かったのか?」
「いいえ、割といつもなのでそういうわけでは。寧ろ貴方がいればよく眠れるんじゃないかと思ってたんですけど…ダメですね、結局緊張して眠れない。」
ぶはっ、と和斗さんは盛大に吹き出した。
「小学生かよ。遠足前でもねぇのに。」
「高鳴りで言うなら遠足前と一緒です。いや、それ以上かも。」
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