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…まぁ、ただでさえ和斗さんはかなりの鈍感だから、その程度で本意が伝わるはずもなかったのだが。
現に和斗さんは俺のシャツ(自惚れるなら彼シャツとも言えるだろうか)をぶかぶかと袖の余った状態で一枚羽織るだけで満足して、恥じらいもせずにソファの上で胡座をかいて座っている。
まさか俺が和斗さんに対して下心を持っているだなんてまるで考えもしていないのだろう。
この人相変わらず裸族だな…。
まるで意識されぬまま、無防備な格好でうろつかれたり、至近距離でちょっかいかけられたり…同居していた頃はもはや日常茶飯事だったが、その都度俺だけが変に意識してしまって飛びそうになる理性をすんでのところで押し殺す日々。
…正直なところ、何度想像で犯してしまったかは分からない。
よく何年も手を出さずにいられたものだ、と内心皮肉混じりに自分を褒めだ。
綺麗な思い出のみを残すために、和斗さんにとって俺がまだ弟分でいられるように、これから先もそうでありたいものだ。
が。
そんな俺の純粋な願いも虚しく。
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