二人の初デート!!

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* 上映が終わって会場を出ると、光がまぶしい。 すぐに現実に戻って来られなくて、なんだかボーッとしてしまう。 莉子は、小さな土産物のコーナーで、何かを手に取って眺めている。 近寄って見れば、十二星座をかたどった、スワロフスキーのキーホルダーだ。 「琥珀って、何座だっけ?」 答える代わりに、琥珀は自分の星座のキーホルダーの輪っかの部分に、人差し指をひっかけた。 「買う?」 尋ねると、 「うん。じゃなくて、こっ……」 莉子は言いかけてうつむいた。 「何?」 「えっと、こ……」 こ?  こはく? こひつじ座?(そんなのあったっけ?) 「こ、交換しない?! お互いの星座!」 莉子が顔をあげて、思い切ったように言った。 なるほど、「こ」は、交換の「こ」だったらしい。 「ああ」 琥珀はうなずいて、キーホルダーをレジに持っていった。 莉子が、琥珀の表情をうかがうようにして、口を開いた。 「ありがと。あのう、イヤじゃない?」 「何が?」 「ううん。琥珀って……こういうことしてくれるイメージないから。 イヤじゃないかなって思って」 「別に。イヤなら買わないし」 「そーお? じゃあ、さっそくリュックに付けよっと」 莉子は、合皮のリュックのチャックのところに、いそいそとキーホルダーを取り付けた。 「キラキラしてて、可愛いよねえ。 あとでスクバに付け替えよっと……」 「じゃあ俺もスクバにつける」 莉子は「えっ」と叫んで、顔をあげた。 「なんだよ?」 「ううん……えへへ。嬉しいな……」 「……なんだよ……」 莉子が顔を赤くして笑っているので、つられそうになる。 パタパタと手のひらで、自分の顔に風を送った。
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