冷たい女

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 隣の部屋から何かを包丁で切る音が聞こえる。  薄暗い部屋に差し込む白い朝陽が静かな目覚ましのようだ。  森崎カナはゆっくりとベッドから体を起こすと、思い切り背伸びして起き上がると、両目を擦りながら部屋の扉を開けた。 「おはよう」  台所に立つスウェット姿の髪の長い女がその声に反応して振り向いた。 「あっ、おはよう、カナ。朝ごはん、もうすぐ出来るよ」 「うん。ありがとうトモ」  そう返事をすると、カナは朋美の隣りに立ち、両手で朋美の顔を挟むと、自分の方へと向けた。 「もう、包丁使っているんだから・・・、危ない・・・?!」  その言葉が終わる前に、カナは朋美の唇に自分の唇を合わせた。そして、自分の舌を彼女の舌に絡ませる。  朋美は包丁を手から離すと、カナの背中に手を回して抱擁した。  そんな二人の後ろで、テレビのニュースが流れる。 『・・・市の湖で発見された3人の男女の遺体はいずれも溺死で、3人は自殺したと見られ、警察は3人の関係を調べて自殺の経緯を捜査しています・・・』  朋美がテレビを消す。  カナは「まだ少し時間があるよ・・・」と甘える。 「しょうがないな・・・」  二人はもう一度キスをすると、互いに抱き合ってお互いの愛を確かめあった。
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