ササヤカな目(eye)

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丁寧に書かれた手紙に胸がじんとしました。 嫌な気持ちも怖い思いも消え去りました。 少し気になる箇所はあります。 西川さんを下の名前で呼んだことないし 私を下の名前で呼ぶのも禁止しています。 はて? 疑問に思いながら 二枚目の手紙を読みました。 『追伸 クリスマスには俺たちは正式に 付き合ってるはずやけど まだやったらごめんな。 それから昔トルコで買った 呪いよけのお守りを 背中に縫い付けてあるから 安心して寝るんやで。』 あはは。 あの日、付き合う予定だったんだ。 バカだなあ。 そんな簡単には決心できないよ。 手紙を読み返します。 西川さんはいつだって優しい愛で 私を見てくれています。 私も精一杯の愛を返せるように 自分に自信を持ちたいです。 ファスナーをもう少し下げました。 青い目玉と目が合いました。 うっ。 これがお守りなのだと思いますが ファスナーを元の位置に戻しました。 温もり、安心、愛情がつまったあおすけを ぎゅっと抱きしめます。 幸せの匂いがします。
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