香子お嬢様、ご友人を家にお招きする

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 リビングの時計をみると13時5分前だ。そろそろ来るかな。  インターフォンが鳴った。  私はエプロンを外してモニター付きのインターフォンで対応する。  画面をみると2人の女性。  あれ? 久野さんの隣りの方は……?  今日は久野さん1人の予定だ。  『久野です。妹も急遽(きゅうきょ)一緒に……いいかな?』  「少々お待ち下さい」  インターフォン越しに申し訳なさそうな声が漏れる。  私は玄関ドアをあけて久野さんを出迎える。  「ごきげんよう」  「……ごめんね、今日井上さん所に行くって家族に言ったら、妹もついて行きたいって聞かなくて……。ほら、挨拶して」  「久野杏凪(あんな)です」  ポニーテールの杏凪さんは無愛想に挨拶した。  「これ、お土産。家族で食べて」と凪紗(なぎさ)さんから渡されたのは有名パン屋さんのフクロウの絵柄が描かれた黄色いビニール袋。
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