ちょっと世間知らずなお嬢様が共学の学校に転校して好きな男の子ができた

香子お嬢様、ご友人を家にお招きする

　凪紗さんはクラスメイト達とSNSで繋がっているから、今日のことを載せるのだろう。
　小学校の頃から母と父の来客対応に駆り出され、テーブルクロスを雰囲気に合わせてつけるだ、お皿を置く時は等間隔にとか、立体的に盛り付けるだ……母に厳しく言われ続けてきた。
　小学生の私にとって荷が重すぎた。
　私は急いで杏凪さん用にランチョンマットと箸と箸置きとコップを用意する。
　「なんかごめんね……」
　また申し訳無さそうに謝る久野さん。それに対して杏凪さんは何も言わない。
　「いえいえ大丈夫ですよー。お茶入れましょうか」
　平静を装って私は二人の希望を聞いた。二人共麦茶がいいということなので、コップに入れる。最後に私も麦茶を入れた。
　全員が着席したのを見計らって「ではいただきましょう」と音頭を私がとってから、三人で乾杯する。

「見た目もいいけど、味も美味しい!!」