香子お嬢様、滝の森学園に入られる

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 校則や決まり事はあるけれど、そこまでガッチガチに締め付けるようなスタイルではない。  極端な話「学業に影響なければいい」訳で。  紫桜学院はいつも緊張感があった。  小学校から「お嬢様言葉」を叩き込まれ、上級生や先生はもちろん、同級生にも敬語で話すのが基本。  頭からつま先まで上品な仕草でいることを四六時中求められて……。  なんとなく距離があった。  全ては「上流階級の世界にいても恥ずかしくないように」という考えから。  紫桜学院の方針がもう時代に合ってない所が沢山ある。  ネットで"ここだけ明治時代"と揶揄されているのを知っても、仕方ないなと割り切った。  実際そうだから。    昔は滝の森学園も厳しかったらしい。  紫桜学院と並ぶぐらいだったそうな。  寮生活強制や忘れ物や違反すると居残りで写経みたいなのをしていた。  厳しさに耐えれなくて自殺する人が少なくなかったとか。
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