10人が本棚に入れています
本棚に追加
「――これ以上たかねえの悪口言うのやめろ」
カジュアルスタイルの喜久がリビングにやってきた。
飲み物をとりにきたのだろう。
「喜久、聞いてらっしゃったの?」
「階段降りてたら聞こえたよ」
喜久は呆れた口調で呟く。
「久野さん、こんにちは。井上喜久です」
喜久が挨拶に対して凪紗さんが「よろしくね」と頭を下げる。
「芋臭い奴の割にはオシャレね」
喜久に挨拶せずいきなり見た目の感想を言う杏凪さん。
「芋臭いうるさいんだよ!! 俺は井上喜久という名前がある。たかねえの悪口これ以上言うな」
「お姉さんもあんたも名前がダサいね。田舎の権力者の名前みたい。お姉ちゃん庇っちゃうなんて、あんたシスコン?」
クスクスと笑う杏凪さん。
「杏凪さんはハッキリとされた方なのですね。羨ましいわ。初めてお会いした方に私と喜久のことの何が分かりますの?」
最初のコメントを投稿しよう!