香子お嬢様、ご友人を家にお招きする

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 凪紗さんの言葉に対して杏凪さんが煽る。  開き直ってる。  年下の中学生にババア呼ばわりされるなんて……。  このままだと姉妹喧嘩になってしまう。  「物好きで結構!! 私は井上さんのそういうとこ含めて好きなのよ!!」  ――私は思わずドキッとした。  初めて私は滝の森学園にきて良かったと思った。  「とりあえず、今日は一旦お開きにしましょう」  喧嘩になるのなんて怖いし、せっかくのホームパーティーの雰囲気が台無しだ。  私は久野姉妹を玄関まで見送る。  その間無言で気まずさとどうすればいいのか内心戸惑う。  喜久はただ黙って見てるだけだった。  「おじゃましましたー」  凪紗さんは挨拶したが杏凪さんは無視。  私はホームパーティーの後片付けを始める。  食べた跡を見てるとなんだか虚しくなってきた。  本当はこのあと私の部屋で凪紗さんとおしゃべりする予定だったのに……。
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