香子お嬢様、滝の森学園に入られる

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 寮も学校も辺鄙な山奥だったそうでなかなか表面化しなかった。  元々将来有望な官僚を育てるための学校ということもあり、卒業生に政治関係者や企業のトップで活躍している人も少なくない。  何かしら起きてもの力でなかったことにすることができた。  関係者には箝口令を敷いていたそう。  数年前に学園のトップが代わった。  滝の森学園の卒業生だが、在学中から方針に疑問をもっており、就任したのを機に共学化した。  学校も辺鄙な所だと閉鎖的になるということから、駅から近いエリアに移転。  共学化するのに伴い、学校の校則や暗黙のルールを変えていった。  寮生活も強制ではなく、実家が遠方の人を優先して受け入れるスタイルで、近い人は家から通っていいスタイルにした。  小学校から女子校だった私がいきなり共学の学校の雰囲気に馴染むのはまだ時間が必要だ。  「井上さん、今日日直の当番でしょ? 俺と」
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