香子お嬢様、滝の森学園に入られる

4/12
前へ
/120ページ
次へ
 日直のペアの男子が声をかけてきた。  「わ、忘れてましたわ……」    この方どなたでしたっけ?  マッシュショートの丸顔の人。  俳優さんでこのような方がいらっしゃったような。  「ええっと、失礼ですがお名前は……?」  「ほら、今日井上さんと日直する伊藤だよ。伊藤駿太(しゅんた)」  あっ、思い出しましたわ!! 出席番号1番の方!!  「伊藤くんですね。まだクラスメイトの名前があやふやでして」  と口元を手で隠して笑ってごまかす。  「まだ来たばっかだもんな。今日日直の仕事初めてだろ? まず職員室に行こう」  私は伊藤くんと一緒に職員室に向かう。  職員室の前には各クラスの日直が集まっていた。  私の学年は3クラスだから6人いることになる。  「あっ、井上さんじゃん。よっ! マダム!」  私が来るなり、他所のクラスの男子がからかいはじめた。  私は男子のからかいを無視するが……。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加