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「おいー、マダムいのうえー!! シカトすんなよー」
この学校来てから全然面識ないクラスメイトから勝手にマダムと呼んでからかってくる。
いつもの癖で「ごきげんよう」で挨拶したから初手で失敗した。
学年の間で「マダムみたいな喋り方する人がきた」とすぐ噂になり、珍獣扱いされている。
悲しいことに紫桜学院で叩き込まれたことは、他の学校の人からすると珍しいものなんだなと思い知らされた。
「おい、広瀬。井上さんをこれ以上からかうなよ。もう太田先生来るだろ」
伊藤くんがからかいを止めてくれた。
広瀬くんは舌打ちをした。注意されて腹が立つのだろう。
職員室のドアを開けながら太田先生が「じゃー、連絡事項始めるぞー」と号令で始まった。
伊藤くんから日直のルールを一通り教えて貰って、今日は私がメインで日誌に記録を書くことになった。
日誌には今日の時間割と、クラスの雰囲気を記録していく。
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