香子お嬢様、滝の森学園に入られる

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 「井上さん、字が綺麗だねー。習字やってたの?」と私が書いた日誌の字を見るなり聞いてきた。  「ええ、まぁ……」  幼稚園から本格的な書道教室に通っていたし、何かと直筆でお礼状や手紙を書いていたので、自然と整った字を書けるようになった。  伊藤くんは何かと気にかけてくれてる。  学校のルールや通学ルート付近のオススメスポットなど教えてくれた。  「井上さん、一緒にお昼食べよー」  昼休み声掛けてきたのは久野(くの)さんだった。  お団子ヘアーで背の高い女子。  みんなか遠巻きにしてくる中、真っ先に声かけてくれたのは彼女だ。  「は、はい……!!」  未だにクラスメイトと話するのは緊張する。  小学校から持ち上がりのメンバーで囲まれた自分が1から人間関係構築していくのはなかなか難しい……。  いつも教室の隅で弁当をつつく。
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