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「店長さん」
私は喫煙所の戸の前に立つと新聞紙で覆われた窓を凝視した。
まるで何かを隠すように貼られた新聞紙。悪臭を気にするなら窓まで塞ぐ必要はないはずだ。それを隠すということは……。
私は店長の方を見て言った。
「中を拝見させていただきます」
「…………」
彼は下を向いたまま返事はなかった。
もう彼は自分でも気づいているのだろう。
私は新聞紙に爪をかけると一気に引き裂いた。
嘘と恐怖で覆い隠された現実を見るために。
そして私は中を覗き、予想が確信へと変わった。
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