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「千夜様、おはようございます。」
朝日が窓から降り注ぐ中、ガラガラと障子が空いて、弐ちゃんが顔を出す。
なんだろう、とても懐かしい夢を見た様な……。
「おはようございます…。」
絞り出した声は、何故か少し震えていた。
「朝食をお持ちしました」
「あ、ありがとうございます。」
朝食か…確かにお腹がすいた。昨日昼から一切何も食べてないしね。
瞬く間に机の上に並べられた料理は、どれも輝いているかのように美味しそうだ。
真ん中には焼き鮭、横になめこの味噌汁。ご飯がつがれており、ツヤツヤホクホクだ。
煮物は人参と椎茸で、見ているだけでお腹がすいてくる。
高級ぽい旅館にしては家庭的。
「では、食べ終わりましたら言いつけ下さい」
さて、何から食べるか。
最初に箸をつけたのは、ご飯。
ご飯を口に運ぶと…なにこれ、こんなに美味しいお米初めて食べた…。
コシ○カリやあ○たこまちとは違う、口に入れた瞬間広がる甘み、噛めば噛むほど柔らかいこの食感…!
幸せ……
お次は味噌汁。
美味しい。凄い美味しい。
語彙力の低下を促す美味しさだ。出汁が濃厚で、中にあるなめこにも味が染み渡って……
焼き鮭も少し熱くて、はふはふしながら食べる。焼き鮭独特のしょっぱさがなんとも言えない美味さを引き出して…っ
煮物も美味しかった。
優しい味で、お母さんの作った料理という感じだった。素朴かつしっとりのダブル旨み。
食べ終わったが…どうやって呼べばいいのだろう?
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